赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

2014年 日本歯周病学会 秋季学術大会(第57回)レポート

UPDATE : 2014/11/14




平成26年10月19日(日)兵庫県神戸市神戸国際展示場おいて第57回日本歯周病学会 秋季学術大会「歯周病学 温故知新」が開催されました。全国各地から多数の歯科医師が集まり、当院理事長案西浩平先生と共に参加させて頂きました。私自身出身大学の口腔治療学分野歯周病講座に約7年間在籍し、大学医局時代には学術大会で研究発表をさせて頂き、つい最近のように思い出します。また温故知新とは、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知るという意味で医学においては過去のエビデンスをどう現在に発展させるかという解釈だと思います。今回大会開催期間は1日ということで午前8時50分より大会会長(東京医科歯科大学大学院医歯科学総合研究科 歯周病分野)和泉雄一先生のご挨拶により開会の辞が行われ、各会場においてシンポジウムが始まりました。午前中、A会場においてシンポジウムT(温故知新)というテーマで歯周病治療において、権威のある3人の先生方の講演が行われました。最初に東京にてご開業・二階堂雅彦先生は、「サイエンスが歯周病治療をどう変えたか?」というタイトルで歯周病の成因を免疫学の観点から講演され、治療法も免疫学的観点を考慮した治療が今後重要だと話されました。また東京にてご開業・弘岡秀明先生は「スカンジナビアンアプローチ、再考」というタイトルで講演され、歯周病治療の主たる目的は原因である歯周ポケット内のバイオフィルム(プラーク)を除去し、縁上バイオフィルムのコントロールにより再感染を防ぐことが重要であると話され、私自身再度認識させられました。その後、東京にてご開業・松井徳雄先生によるタイトル「歯周組織の長期安定を求めて」の講演があり、歯周組織の安定を図るには深い歯周ポケットや根分岐部病変などのプラークの溜まりやすい環境を極力減らし、プラークコントロールを行いやすい環境に改善する必要が大切と説明されました。私自身の考えとして長期安定を求めるためには、歯周治療において、歯周病菌の生育環境下の改善を図るには歯周外科まで行う必要があると思います。浅い歯周ポケット(4o以下)では非外科的処置で対応可能と思いますが(治療後はメンテナンスによる予防管理が必要)中等度ならび重度歯周病、広汎性の骨吸収においては何らかの治療(切除療法、成形外科、歯周組織再生療法)またその後の固定、咬合の確立が必要と思います。またその後、同じホールにおいて特別講演T「骨免疫学の最前線」(東京大学大学院医学系研究科免疫学講座)高柳広先生の講演があり炎症性骨破壊疾患である関節リュウマチや歯周病において骨破壊を引き起こすT細胞(Th17)が破骨細胞の誘導を介して組織破壊に直接関与しているとお話しされました。
3年前にもHPにおいて記載させて頂きましたが、歯周病は現在、生活習慣病の一つとして考えられ、糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム、心臓疾患(狭心症、心筋梗塞、細菌性心内膜炎)、脳血管障害、早期低体重児出産、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、などが歯周病に関連する疾患とされています。歯周組織に限定されるという概念から、全身にも影響を与えることから歯科のみならず医科でも注目を浴びています。また午後からにおいては、全国歯科大学、開業医の先生方によるポスターセッション、また講演としてはシンポジウムU「進行した根分岐部病変への新しい治療戦略」というテーマで初めに福岡県にてご開業・水上哲也先生によるタイトル「3次元的診断に基づいた根分岐部病変の外科的治療戦略」、また北海道にてご開業・池田雅彦先生によるタイトル「外傷力を考慮した根分岐部病変の治療計画」、最後に北海道大学大学院歯学研究科歯周歯内療法学教室・菅谷勉先生による「根分岐部デブライトメントの向上と保存的治療の適応拡大」というタイトルで講演され、刺激を受けました。今回私自身、再度歯の保存について考えさせられ、歯の保存に対する思いはより一層強く、(抜歯は歯科医師においては敗戦、敗北を意味すると北九州市で開業・白石和仁先生の言葉を心に秘め、)多方向性から歯を保存するという引き出しを提供出来る様、日々精進していこうと思います。