赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

歯根の治療について 西明 仁

UPDATE : 2013/12/27


 歯の痛みは、つらくて耐えがたいものです。痛くて噛めない、食べれない、眠れない、という患者さんが、連日来院されます。そして、この痛みを止めてほしい、治してほしいという切実な思いをお話しして頂いております。それでは、どうすれば痛みを止め、深刻な細菌感染を起こした歯を残すことが出来るのでしょうか?
歯が痛いとは、そもそもは歯の歯髄組織、またその周囲組織(歯周組織)で異常事態が起きていると感知した神経、毛細血管圧、歯根膜(感覚受容器)のスイッチが「ON」になっている状態のことです。トラブルの発生を脳に伝え、教えてくれているわけですから、それ自体は悪いものではありません。むしろ、歯で起きている異常を知らせてくれる、有り難い警報です。ただ、鳴りっぱなしではたまりません。なんとかして治まってほしい。そこで必要とされるのが歯内療法(歯根の治療)です。歯内治療とは、スイッチが作動してしまう原因をしっかりと取り除き、ONからOFFへ出来るだけ近づけること。歯の歯髄組織で活動している細菌がスイッチの入る原因を作っているのですから、細菌感染した神経を取り除き、歯の内部を洗浄、消毒して殺菌し、仮封をします。そして歯科医師が出来るのはここまでです。やれるだけのことを精一杯行い、しばらくの間(洗浄、消毒、貼薬を繰り返す)し、細菌が無くなることで、患者さんの免疫応答による治癒する力によって炎症が治まり、徐々にスイッチが「OFF」になります。その結果、痛みが治まるというわけです。
歯科医師の仕事は、歯のなかで繁殖している細菌を徹底的に除去する、ということに尽きます。麻酔や痛み止めによってスイッチをOFFしても、その効果は一時的で、根本的な解決にはなりません。原因を除去すれば、患者さんの体の治癒力により痛みが止まり、うまくいけば抜歯を回避することが出来て、その歯を長く使い続けることが可能なのです。
技術的には、大変細かく困難な治療で、しかも治療結果は、患者さんご自身の治癒力や、全身の健康状態にも影響を受けるため、成功するケースばかりではありません。しかし、成功すれば歯を残すことができ、患者さんにとって多大なメリットがあります。