赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

哺乳瓶う蝕 田中 陽子

UPDATE : 2013/9/21


哺乳びんう蝕とは、幼児期において、離乳期を過ぎても長期にわたり、就寝時に母乳を与えたり、ミルクや糖質を含む飲料を哺乳びんに入れて飲ませることによって引き起こされる虫歯のことです。
母乳には、乳糖と呼ばれる糖分が含まれています。母乳を寝ながら与えたり、夜間に与えたりした場合、就寝時や夜間は唾液の分泌量が少なくなるために自浄作用の効率が悪くなり、虫歯菌にとっては好ましい環境状態が維持されることになります。
虫歯と母乳の関係を調べた研究によれば、2歳の時点で、母乳を長期間飲んでいた乳幼児群は、断乳した群と比べて、虫歯になった子供の数、平均した虫歯の本数も統計的に多かったことが分かりました。一方で、その生活習慣をみたとき、母乳群では「間食の時間が決まっていない」ことが統計的に高かったそうです。このように母乳を与え続けた群では、虫歯の発症に影響を与える他の要因においても好ましくない傾向があるようです。このことは、虫歯の発症にはいくつもの要因が関与しており、母乳を止めることに限らず、原則的な虫歯予防を同時に行う必要があるといえます。
また哺乳期の虫歯の問題として、お母さんからの虫歯菌の感染時期が重要です。身近な保育者からの母子感染による虫歯菌の感染は、歯が生え始める生後6ヶ月から7ヶ月頃から始まっているからです。特に1歳の時点で感染率が急激に増えることが解っています。お母さんの治療途中の歯をそのままにしている、虫歯があるのにそのままにしている、治療は終わったけれどよく虫歯になりやすいなどの問題を抱えているお母さんは注意が必要です。
卒乳(断乳)については、子供の発達に応じてスキンシップを大切にするため、従来の1歳をめどに断乳させるという考えから、自然に卒乳させるという指導に変わってきています。虫歯予防の観点からは、乳歯が多く放出する前に卒乳してもらうことが望ましいでしょう。卒乳以前であっても、就寝時や夜間の授乳を控えること、乳酸飲料やスポーツ飲料は適正に摂取すること、またフッ化物を利用するなどを行って下さい。