赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

CERECシステム(セラミック)を用いた修復治療について 笹田 佳奈

UPDATE : 2013/9/21


 みなさんセラミック治療と聞いて最初に感じることってなんでしょうか?
白い歯が入れられて審美的?治療費が高い?割れる?
たしかに保険治療で入れる銀歯と違い、保険のきかないセラミック治療の金額は高いと感じる方は多いと思います。
また、金属とは違いセラミック(陶材)という物性の性質上衝撃力には弱いという面も少なからずあります。
 そういった表面的なセラミックの評価だけではなく、実はもっとたくさんメリットがあることをこのコラムを通してみなさんにお伝えできればいいなと思います。

 今回テーマにするのは、セラミック治療の中でも特に歯科用CAD/CAMを用いたCERECという機械を使った修復についてご説明します。
CAD/CAMシステムというのは、お口の中あるいは歯形模型上の凹凸をカメラでコンピュータに読み込み(光学印象)、そのデータをもとにコンピュータ上で3D解析し修復物を作成し、セラミックブロックを削りだしてしまうという機械です。
歯型採りをして、技工士さんが細かく手作業で作っていたものをすべて機械がしてくれるという優れモノです。
今、世界の歯科界ではdigital dentistry(デジタルで作る技工物)へと移行すべく、たくさんの会社がいろいろな研究や技術を開発しています。外国では日本のような保険治療のスタイルがないので、特に先進国ではセラミック治療はどんどんスタンダードな治療になってきており、気が付いたらお口の中に金属が入っているのは日本人だけ…なんてことになる日も???日本はある意味では歯科治療後進国なのです。
最近TVなどで3Dプリンターって見たことないでしょうか?ちょっと違いますが、イメージとしてはそういったものを考えていただくと分かりやすいかもしれません。

では、このCERECを使った修復物、どんなメリットがあるのでしょうか?
最大のメリットは最短でその日のうちに(歯を削ってから2〜3時間後には)セラミックの詰め物がお口の中にセットできるということです。(症例によってはその日のうちには詰めることができない場合があります)
当日セットできるということは、来院回数を減らすことができるだけでなく、仮歯や仮カバーをしている期間がないので唾液や口腔内細菌による切削面の汚染を防ぐ事ができるのです。汚染を防げるのは、歯科医師サイドからすると最大のメリットと言えるかもしれません。よく「銀歯の中が虫歯になってしまっている」という状態をお見かけしますが、この原因の一つはセットまでの歯質の汚染に起因するからです。
仮に当日セットできない場合でも、銀歯の制作期間に比べCERECでは短期間でセットすることができるので、汚染のリスクを格段に下げることができるのです。
 また、セットまでの期間が短いことで、残存歯質がかけたり、割れたりすることが少なく、余計な歯牙切削を防ぐことができます。

 その他に銀歯の修復に比べ、術後疼痛が出にくいというメリットもあります。
銀歯を入れてからしばらくしみる感じが続いた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?金属は熱伝導性が良く、温度変化の大きな食べ物や飲み物がしみてしまうという、あれです。
セラミックはあまり熱を通さないので、そういった症状が出にくいのです。

 では、将来的な予後の面ではどうなのでしょうか?
海外のある論文では18年の治療後経過を追った報告で、89%がなんの問題もなく経過しています。脱落や、破折が起きた1割の症例は噛み合わせの調整や接着のエラーにより起きてしまったと結論付けられており、それらは我々歯科医師がしっかり知識や技術を身につけることで多くは防ぐ事ができるのです。

 また、これはCERECに限らず、オールセラミック治療全般に言えることですが、金属を使わない修復であるため、金属アレルギーの心配もありません。
金属製の赤ちゃんのおしゃぶりなんて見たことがないですよね?
ではお口の中にある銀歯はどうでしょうか?大人なら多くの方が入っているのでは?
24時間365日金属をなめていると考えたらどう感じますか?
保険治療で一般的に使う金属、パラジウムやニッケルなどの合金は唾液でイオンが溶け出すということが証明されています。鉄や亜鉛など、栄養学的に体に必要な金属ならともかく、体にとって良いとは言えない金属が多く含まれているのです。

 もちろん患者さんにとって一番分かりやすい特徴として白くて歯と同じ色の詰め物が入れられるという審美的なメリットはいうまでもありません。

 国民皆保険という日本特有の素晴らしい制度により、誰でも同じように病気や歯科治療をうけることができます。これは他国に誇れることだと思いますが、このコラムを読んで、みなさんの治療の選択の幅が広がれば幸いです。