赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

BRONJ(薬剤由来顎骨壊死)について

UPDATE : 2012/10/25


金子 宗嗣

歯科を受診される患者さまの中には、他にも持病があり薬を他院から処方され日常的に服用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
薬にはのみ合わせで問題があることもあり、その際にお薬手帳が重要になります。またそれだけではなく歯科については、服用されている薬次第で処置について問題が発生する場合があります。
その中で今回はBRONJというあまり聞き慣れないであろう病気について紹介いたします。

BRONJ とは
フォサマック、ボナロン、アクトネル、ゾメタなどのビスフォスフォネート製剤(以下BP製剤)に関連した顎骨壊死のことであり、米国口腔顎顔面外科学会において以下を満たしている場合を指すとしています。
@BP製剤による治療を現在行っているか、また、治療の既往があること。
A顎顔面領域に壊死骨の露出が認められ、8週間以上持続していること。
B顎骨に放射線治療の既往がないこと。

またBRONJの症状には骨露出・骨壊死、疼痛、腫脹、オトガイ部の知覚異常、排膿、潰瘍などがあります。治療法いまだ確立されておらず、硬性物質の内服、うがい薬の投与、口腔内を清潔に保つことなどが挙げられていますが、難治性の疾患です。

BP製剤は強力な骨吸収抑制作用があり、骨粗鬆症、変形性骨炎、骨形成不全症、乳がん、前立腺がん等の骨転移、多発性骨髄腫などの疾患の予防と治療に広く用いられております。
中でも閉経期を迎えた年齢50歳代以降の女性で骨粗鬆症にかかっている方は多く認められ、上記のようなBP製剤を服用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような薬を服用し、歯科にて抜歯、歯科インプラント埋入、根尖外科手術、歯周外科などの観血的処置を受けた方に発症が認められます。発症確率はそれぞれの学会の報告で様々ですが0.8〜12%程度とされています。
BP製剤を内服されている方で、上記の処置が必要と判断された場合、主治医へ休薬の可否を対診します。休薬可能であれば、諸説ありますが内服薬の場合、3ヶ月以上の休薬期間をめどに処置をおこなってよいとされます。その後も処置部位の顎骨が治癒傾向を示すまで投薬を再開すべきでないとされています。
ただしそれでもBRONJが発症する可能性はゼロではありません。その後の経過観察、ご自分での口腔内のケアが重要になります。またそもそもBRONJ発症のリスクを避けるためにBP製剤投与開始前に歯科の観血的処置を済ませておくのも有効な予防策です。  

大事なこと
今回BRONJという病気について説明したのはBP製剤が割合多用されている薬であるため、条件によっては発症のリスクを抱える方も少なくないと考えたからです。そんななか何よりも大事なのが、御自分が内服されている薬が何なのかを把握していること。またそのためにお薬手帳を受診時に持参されていることです。それを参考にして治療方針が決定される場合もあります。これはBP製剤だけでなく血圧に関する薬などにも同じことが言えます。