赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

外傷歯の治療について

UPDATE : 2012/10/17


大道寺 尚

転倒や衝突あるいは殴打などで歯に強い力が加わると、歯の破折や脱臼、時には歯槽骨骨折、顎骨骨折など様々な病態を生じます。ここでは歯が脱臼した場合の治療法と対処法について説明いたします。
脱臼の程度により処置方法が異なりいくつかに分けられます。
1)脱臼が不完全で損傷が歯周組織に限局している場合
歯の動揺、疼痛、咀嚼障害があれば固定(1〜3週間)を行い、咬み合わせに留意し歯の安静を保ちます。経過観察を行い、神経が死んでいたら根の治療を行います。
2)挺出(飛び出し)や側方へ脱臼、あるいは陥入した場合
このような時は歯槽骨の骨折などを伴うことが多く、ワイヤーや接着剤などで歯の固定(1〜3週間)を行ったり歯の牽引が必要となることがあります。
3)完全に歯が脱落した場合
基本的には再植(元に戻して固定)を行いますが、脱落後長時間経過したり脱落した歯が著しく不潔であったり歯槽骨の骨折を伴う場合には再植の適応にはなりません。

脱落した歯が再植された場合の臨床経過は歯が脱落してから再植されるまでの時間の経過により大きく影響を受けます。再植した歯がその後どれだけの間生着するかは受傷状況により異なり、数か月しか生着しないものから数十年に及ぶものまで様々です。この生存期間を左右するものは「歯根膜」と呼ばれる根の周りにある組織が生着したか否かに関連すると言われています。歯が脱落してしまった場合
@脱落した歯を捨てないで保存する。
A脱落した歯を持つ場合は歯冠部(歯の頭)を持つ。
B歯を流水で洗う。
C可能ならばすみやかに歯を元に戻す。
D戻せなければ牛乳、食塩水または口腔内に保存するなどに注意していただければと思います。

また、転倒などにより陥入(奥に入り込む)した場合の治療としては経過観察を行うこととされています。整復固定した場合と経過観察した場合を比較した研究もあり、経過観察を行った方が、良好な結果が得られています。これらのことから、陥入症例では後継永久歯に影響を及ぼさない場合には経過観察を行うのが第一選択と考えられています。ただし、後継永久歯に影響を与える場合に関しては、整復固定、あるいは抜歯を行うべきです。1年経過しても萌出してこない場合や、感染を繰り返す症例、萌出してきても不十分で、低位の場合は抜歯の適応となります。 いずれにせよ受傷後は早急に受診されることをお勧めいたします。