赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

歯を溶かす酸蝕症について 中原 明子

UPDATE : 2012/06/04


中原 明子

酸蝕症とは、食べ物や飲み物などに含まれる酸によって歯が溶けることをいい、酸蝕症によって薄くなった歯のことを酸蝕歯といいます。
比較的酸性の強い飲食物等を取り続けることにより、歯の表面を形成しているエナメル質を弱体化させ、歯を薄く弱くしていきます。
酸蝕症は、生活習慣に大きく影響される疾患であるため、虫歯、歯周病についで第3の疾患として近年問題とされています。

症状としては、歯が薄くなることによって

  • 歯がしみる(知覚過敏の症状)
  • 歯が黄色みがかって見える。
  • 歯が欠ける、割れる。
  • 噛んだ時に痛みが出る。
  • 詰め物がはずれる。
  • 虫歯になりやすくなる。 といった症状があります。

主な原因としては次のようなものが挙げられます。

  1. 炭酸飲料水を長時間お口の中に含んだ状態にしている。
    市販の炭酸飲料水やジュースはPHが強酸性であり、それらを長時間お口に含むことにより、歯の表層のエナメル質が溶けていく。
  2. 柑橘類の果物(レモン、グレープフルーツ、オレンジ等)の習慣的な過剰摂取
    柑橘類の果物には強酸のクエン酸が多く含まる為歯を溶かす原因となる。
  3. 飲料水やサプリメント
    ビタミンCのサプリメント、お酢、ワインなどを寝る前に習慣的に飲むと、通常では唾液の緩衝作用によってお口のPHは中性になっていくが、睡眠時は唾液の効力が落ちるため、寝ている間に歯を溶かす原因となる。
  4. その他 内因性のもの
    ・逆流性食道炎、口腔乾燥症、アルコール中毒、摂取障害による嘔吐。
    ・かつてはメッキ工場やガラス工場における酸性ガスの吸入による職業因子があったが作業環境改善に伴い、最近では減少している。

【現在では食生活の変化に伴う飲食物からの外因性因子が主流となっています】

予防法としては
・食生活の改善で多く予防できます。例えば次のような習慣がある方は注意しましょう。

  • スポーツ後の水分補給に酸性飲料水を不規則に摂取している。
  • 熱中症予防のために頻繁にスポーツ飲料を飲んでいる。
  • 柑橘類の果実を習慣的に摂取している。
  • 車の運転中や仕事中に酸性飲料や栄養ドリンクを頻繁に摂取する。
  • アルコールのちびちび飲みをする。

・酸性飲料はお口の中で長く放置をしないこと。
・酸性飲食物摂取直後は歯の表層が軟化している可能性がある為、飲食後30分のうがいや歯磨きは控える。
・酸性飲食物摂取後に歯磨きができない状況にある場合は水やお茶など中性飲料で口をすすぐようにする。デンタルガムを噛むことも有効です。
・定期的に歯科医院にて検診を受ける。歯の表面に異常がないかのチェックを受ける。
・歯が欠けたり、しみるような症状が出た場合は歯科医院にて必要に応じて予防処置、ブラッシング方法、飲食物の摂取のアドバイスを受ける。

酸蝕症は生活習慣から発症する疾患ですが、酸蝕症にならないようにするために酸の入った飲食物を全く口にしないのではなく、摂取方法を誤らずに意識することが大切です。
何か気になることがあればいつでもご相談下さい。