赤坂デンタルオフィスからのお知らせ

日本口腔インプラント学会レポート 宮本篤

UPDATE : 2012/01/21


宮本 篤

2012/1/21~22第29回日本口腔インプラント学会九州支部学術大会が宮崎シーガイアコンベンションセンターにて開催され、当院からは理事長案西浩平先生と歯科医師宮本篤が参加した。
「インプラント補綴の最前線」というテーマで、日進月歩で進化する補綴材料やCAD/CAMテクノロジー、デジタル印象など最新の学術情報の講演が相次いだ。また、医療安全の推進についての討論も交わされた。
そのなかで、当院案西浩平先生は「インプラントと中等度歯周病に罹患した下顎臼歯を連結し天然歯の辺縁骨レベルの改善を認めた一症例」について発表を行った。そのプレゼンテーションの要旨は以下のとおりである。

演題 インプラントと中等度歯周病に罹患した下顎臼歯を連結し天然歯の辺縁骨レベルの改善を認めた一症例
1)福岡歯科大学口腔インプラント学分野 2)あんざい歯科クリニック
〇案西 浩平1,2),増田 里美2),森永 健三1),城戸 寛史1),松浦 正朗1)
A case presented an improvement of the marginal bone level of the adjacent teeth with moderate periodontitis after connection of implant superstructure in the posterior mandible 1)Section of Oral Implantology, Fukuoka Dental College 2)Anzai Dental Clinic 〇ANZAI K 1,2), MASUDA S 2), MORINAGA K 1), KIDO H 1), MATSUURA M 1)
T目的: 歯科インプラント治療の目的は、歯の欠損部を補綴して,失われた咀嚼機能と審美性を回復し歯列や咬合を保全することであり,その結果として隣接歯や現在歯の保存を可能にする効果も期待できる.インプラント補綴は天然歯と分離するのが原則であるが,今回,歯周病罹患歯の保存を目的にインプラントと天然歯を連結して補綴し,良好な結果が得られた症例を経験したので報告する. U症例の概略: 患者は54歳女性.1994年11月左下臼歯部歯肉の腫れと疼痛を主訴に来院.全顎的に軽度から中等度の辺縁性歯周炎に罹患し,7部には歯肉膿瘍を認めた.緊急処置として当該部の消炎処置を実施し,その後,全体の歯周初期治療と咬合治療を行った.その後3~4カ月ごとにメンテナンスを続けたが,567の骨吸収が進行し,2003年9月エムドゲインを用いた再生療法を施した.さらに,2~3カ月ごとにメンテナンスを繰り返すも,2008年2月7は重度歯周病により抜歯となった.抜歯時ソケットプリザベーションを行い,4カ月後同部位にインプラント(リプレイスセレクト,ノーベルバイオケア社製直径3.5長さ10mm)を1本埋入した.2008年9月患者と相談のうえ,下顎左側第一大臼歯および第二小臼歯をインプラントと連結したハイブリッド冠を装着し,最終上部構造とした. V経過: その後2カ月ごとにメンテナンスを行い,上部構造装着3年経過後の2011年9月の所見ではインプラント周囲の骨吸収および軟組織の変化は認めなかった.またインプラント体やフレームワークの破折,スクリューの緩み,セメントの脱離等は認められなかった. W考察および結論: インプラント体と連結した天然歯の辺縁骨レベルは軽度に改善し,患者の満足も得られた.QOLの向上を目標とした本症例では,インプラント治療の有効性が示唆された.